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げんき便り 4月号「生前最後の手紙」

30年以上前になりますが、行田市での開業前に北本市のある診療所の所長として急に勤める事になりました。
それまで小児科オンリーでしたので、内科の研修(バリウムの造影や腹部エコーなど)をいろいろと研鐙しながら、大人と子どもの両方を診る事になったのです。
そこでは高血圧や糖尿病、脂質異常など色々な患者さんがいたのですが、半日で30名くらいで比較的暇でしたので、診療の合間に患者さんとよく他愛のない世間話をしたりしてマッタリとした雰囲気で診療をしていました。それが案外と好評だったようでした。そんな中に、15歳ほど年上のチョッピリ上品なご婦人と意気投合して病気以外で本人の悩みや娘さん、そのお孫さんの悩みなどを聞くなどして親しくなった患者さんがいました。

その方は東京都内の有名な料亭の女将さんをしており、多くの著名人とも知り合いだったとのことでした。
その後私が開業して北本から行田に移ってお互いに住所を交換し、ずっと年賀状のやり取りを25、6年していました。
ところがつい最近そのご婦人の息子さんから手紙が届きました。見慣れたその苗字に何とはなしに胸騒ぎを覚えたのですが、手紙を読んでみるとやはり最近「心筋梗塞」で突然亡くなったとの事でした。更にびっくりしたのは、亡くなる数日前に、私へと書いたはがき
が同封されていた事です。びっしりと丁寧に書かれたはがきには、私に出された喪中に対する返事と最近体調が悪く、
身体がふらつきマンシヨンの出入り口で転んでしまった事。親しくしていた永六輔さんから、彼が亡くなる数日前に手紙を頂いた事。そして、もしかしてこのはがきもまた自分が出す最後の文(ふみ)になるかもしれないと冗談めいて書いてありました。実|際このはがきは息子さんが遺品整理をしていて投函されていないこのはがきを偶然見つけて、手紙と共に同封して送ってくれたのだと知りました。
毎年私と家内や子ども達の事をいろいろと気づかつた暖かな年賀状を頂いていただけに、とてもショックで涙ぐんでしまいました。こんなにも固い紳で患者さんと結ばれていた事が嬉しくもあり、また人の世の「ものの哀れ、はかなさ」を満開の桜が散る景色を見ながら強く感じてしまいました。
げんきクリニックでも患者さんとこれからもよい出会いをしていきたいものだとつくづく思います。
忙しい外来の時間の中で、少しでも気持ちが通じ合える会話と診療ができたらと思いました。これからも宜しくお願いいたします。

院長

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