げんき便り 11月号「行田の足袋」

本年10月よりいよいよ行田市が誇る足袋産業が孤軍奮闘するドラマ「陸王」が開始されました。
行田地産の足袋が、マラソンシューズとして生まれ変わり、日本のモノ造りのすぱらしさ、中小企業の底力を見せてくれる話です。
以前数年前に、行田のお城「忍城」を舞台にした「のぼうの城」が映画上映されまして、私も胸躍らせて映画館へ見に行ったものでした。

今回も患者さんから行田の足袋屋さんの話がテレビドラマ化されると聞き、さっそく池井戸潤氏の「陸王」を購入し、一晩で読み終えてしまいました。それくらい魅力たっぷりで引き付けられました。その後、別の患者さんが陸王のロゴ入りのTシャツを着て診察に来ました。

「へえ〜そんなTシャツまであるのか」と感心して、すぐにネットで探して購入し、白衣の下に着ると透けて見えて、職員に見せたりして宣伝までしてました。今まで2回放送を見ましたがなかなかの出来映えで、知らぬ間に物語りに吸い込まれてしまいました。

考えてみると埼玉県は首都圏にありながら、駄(だ)埼玉県と言われ今一つパッとしませんでしたが、埼玉県の名称のゆかりである「さきたま」古填群があり、千年の眠りから芽を覚ました「古代蓮」があり、利根川と荒川をつなぐ東京の水瓶である「武蔵水路」があります。飲み水だけで豊富な水量で水力発電も期待されています。
東京出身である私も埼玉県に住んではや30数年が経ち、いつの間にか郷土愛らしき物が どうやら目覚めたようです。

地震、火山、風水害、台風にも余り襲われずに本当に住み易い穏やかな良い土地柄です。欲を言えば何でも東京に依存して余り切磋琢磨してがんばらない所かもしれません。医療で言えば頑張ってみんなの為になる事をやろうとすれば、必ず足を引っ張る勢力がいる事です。健診や予防接種のシステムも日本最低水準のレベルにあります。もちろん東京と違って̅予算・お金の問題もありますが、それ以前の人間の意思・意欲の問題が大きいと感じています。現在行田ロータリークラブを中心に「発達障害の理解」が深まり、行田市でも一刻も早く5歳児検診をはじめ、就学支援の体制を整えるようにしようと言う機運が感じられます。他人の足を引っ張ることなく医捺福祉の分野でも「埼玉県魂」を発揮してドラマにでもならないものかと強く願うものです。
院長