NO.121

平成14年8月1日発行

今年の夏は家族全員で、群馬県北部の上毛高原へ新幹線に乗って、「蛍(ホタル)狩り」へ行って来ました。
私自身は生まれて3度目で、10数年ぶりでしたが、子供達は皆生まれて初めての体験だったので大喜びでした。

過去2回は、本当に田舎の草深い小川や沼のほとりに蛍が乱舞していてその当時私自身とても感動したものですが、今回は蛍の数より見学の人間の数の方が圧倒的に多く、しかも蛍は心なしか弱々しく飛んでいるように見え寂しく感じました。

大切な自然は開発の名のもと一度破壊されてしまうと、いくら人間がお金や人手をかけて水をきれいにしたり、餌になる貝を撒いたとしても乱舞するほどまでに復元するのは難しいようです。
身近の周りを見渡してみると、川には工場廃液や家庭の生活廃水が垂れ流しされ、きれいなせせらぎというよりはまるで下水道のようです。

また道という道はすべてアスファルトで舗装され、土の地面が減ってきてこれでは夏に地中から出てくる蝉(せみ)も出るに出られません。
昔は騒々しいくらい鳴いていた蝉時雨(せみしぐれ)もあまり聞かれなくなってきました。

『大切なものは失ったとき初めて気づくもの』とよく言われますが、本当にそうですね。
身の回りの自然やよい文化・風習はいつまでも失わずに子や孫の代まで残してあげたいものです。
長野県では「脱ダム宣言」をめぐって知事さんと議会がもめていますが、なんとか自然と上手に調和して生きて行ける策をお互いに出し合い全国の模範となるよう努力してほしいと願っています。