平成15年9月1日発行
今年の夏は本当に涼しかったですね。
子供さん達の夏休みの宿題は無事終わりましたか?
ところで子供たちから「なんで勉強をしなければいけないの?」と聞かれたことがありませんか?そんな時どう答えますか?
「大人が働くのと同じで、子供が勉強するのはあたりまえ」「将来ちゃんとした仕事につけるように」「勉強しないとバカになるから」「教養をきちんと身に付けて立派な大人になるため」などいろいろでしょうね。
私はそんな時、小学4年生の時の記憶が頭によみがえります。
その当時テレビで大人気だった『親子鷹』という勝海舟のドラマを思い出すのです。
勝海舟の父・勝小吉は貧しいながらも、徳川幕府に信頼の厚い旗本御家人で、武術の達人でした。しかも武士でありながらとても庶民的で、町人達と自宅で仲良く碁や将棋を打ったりしていました。
それを見ていた、幕府の藩校で成績抜群の息子・勝海舟が「父上のような身分の高い武士がなぜ毎日のように町人ふぜいを自宅に招いて碁や将棋をなさるのですか?」と、ある日父に尋ねます。
父・小吉は烈火の如く怒り「なにかい、お前さんは学校では秀才かもしれないが、学問とやらをすると人間を差別するようになるのかい?そんな学問だったら何の役にも立たないから、今すぐにやめちないな。」とどなりつけました。
私もなぜかものすごい驚きと感動を覚え、それ以後勉強する時の心構えとしてきました。わずか10歳でしたが、そのテレビの一場面が私の一生を左右したと言っても過言ではありません。
それと関連して、ある本の一節に福沢諭吉の「学問のススメ」について次のように述べたものがありました。
『「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らずと言えり」という一節は有名で国民の誰もが知っており、その意味も理解している。しかしその後に「されども賢き人あり、愚かなる人あり」と説いている事まで知っている人は少ないでしょう。人間はもともと平等ではあるが、学問をするかしないで、賢い人と愚かな人に分かれていく、と言っているのです』と。
もちろん学問とはテストの点数をよくするための勉強ではないのはもちろんです。
これから読書・勉強に打ち込むのに最適な季節になりますが、何かの参考になれば幸いです。