NO.139 子どもとメディア

平成16年4月1日発行

今年2月に日本小児科医会から「子どもとメディア」に関する提言が出されました。内容は「2歳までのテレビ・ビデオの視聴を控える。授乳中・食事中のテレビ・ビデオの視聴はやめる。全てのメディアに接する総時間を制限し1日2時間以内、テレビゲームは1日30分までを目安とする。子ども部屋にはテレビ・ビデオ・パソコンを置かないようにする。保護者と子どもでメディアを上手に利用するルールを作ろう。」といったもの。

小児の学会がここまで厳しく規制しようと提言した背景には、テレビ・ビデオ・パソコン携帯電話等の子どもたちの生活・心身の発達に与える弊害が無視できないところまで来てしまっているという危機感があるからだと思います。

確かに子どもの安全面を考えて与えたはずの携帯電話を、所・時間を選ばず夢中になってメールをしている子ども達の姿をみると親として考え込んでしまいます。

学校の宿題提出をわざわざインターネットを使ってさせる学校も増えてきたため、専用のパソコンを買い与えたところ、自分の部屋の篭もりっきりとなり、子ども達自身も熱中するあまり、つい睡眠不足になりがちです。

ゲームとなるともっと深刻で、せっかく大勢の友達同士が集まっても、お互いにバラバラで何の会話もなく黙ってやり続けるということになりがちです。

子ども向けのビデオを子守り代わりにして便利だと思っていたら、外遊びをしない・他人と上手に遊ぶことが苦手になるという事態になりかねません。

そして何よりもテレビやビデオ・ゲームの暴力シーンや破壊シーンに慣らされて鈍感となり、現実感覚がなくなり、様々な犯罪や精神的弊害が数多く起こってきています。

科学技術の発展は必ずしも私達そして未来ある子ども達を幸せにしてくれるとは限りません。

この提言を機会にもっと親子がたくさんスキンシップを取るようになり、メディアと適度の距離を保ち、上手に利用して賢くつきあっていく必要があると思います。参考にして下さい。