NO.156 選挙の後に待つもの

9.11衆議院総選挙が「小泉」自民党の圧勝で終わりました。郵政民営化は時代の流れで当然そうなるべきかもしれませんが、法案の内容に問題がありすぎ、田舎の郵便局が廃止されたり、340兆円ものお金が民営化されたとたんにはげたかファンドにあっという間に乗っ取られてアメリカの戦争費用に使われるなんてことにならなければいいのですが。
ともかく自民・公明合わせて3分の2以上の議席を占めてしまい、これから先強力なリーダーシップを発揮して国内外の重要な案件を次々と推し進め、国際競争力が強化されて日本経済にとって好ましいという見方が一方にあります。
日本人は聖徳太子の17条の憲法にあるように「和をもって尊し」とする民族なので、もともと欧米の真似をした2大政党制にはなじまず、国民がいつも一つにまとまってやっていくのが良いという考え方が根本にあるようにも思えます。
その反面、戦後60年間何の戦争にも巻き込まれず平和で飛躍的な経済発展を支えてきた平和憲法9条の改正や自衛隊を軍隊と認知させ、防衛庁は国防「省」に格上げしやがて徴兵制導入もあっという間に現実のものとなるでしょう。
私たちの子どもや孫たちが、アメリカが世界各地で引き起こすイラク戦争、アラブ・イスラエルの中東戦争そして米中戦争へ拡大するであろう戦争に、最もアメリカに忠実で従順な同盟国として駆り出されていくように思えてなりません。
消費税はまたたく間に20%を超えるでしょうし、取りやすいところから取るという税金の法則からすればサラリーマン増税も必至でしょう。
年金負担は益々増加していき、逆に支給額は減少の一途、医療保険の自己負担の増加と自由診療(自費診療)の増加、介護保険の負担増加と支給内容・サービスの低下(貧弱な老人ホームの建設)といったことが近いうちに間違いなく起こることでしょう。
日本は今まで資本主義社会の中では最も変則的な国で、国民の最低限の生活を保障し貧富の格差を極力小さくして、国の富をなるべく国民全体で平等に享受しようとする社会主義的な資本主義国でした。
しかしここへ来て完全なアメリカ型の弱肉強食の自由競争社会へとまっしぐらに向かい始めたように思われます。
極一部の成功者が益々大金持ちになる一方で、中流と思っていた大多数の善良で勤勉な国民が働けど働けど貧しくなっていき、その数が急速に増していく二極分化した社会になりそうです。
そういう意味では今回は大変重大な選択を迫られた選挙だったと後世で位置づけられるかもしれません。私の杞憂に終わればいいのですが。