No.178 今年のインフルエンザ治療

今年もクリニック恒例の第16回秋祭りが無事終了しました。ご協力ありがとうございます。
多くの皆さんが子供連れで参加していただき、楽しんでもらえたものと思います。職員・デイケアメンバー・友の会・ボランティアの方々が一つになって準備し、当日は暑さにも負けず大活躍で盛り上げてくれました。
この和と輪のチカラでこれからもげんきクリニック一同頑張っていこうと思います。
さてこれからは少し早いかもしれませんが、冬場の診療体制にと頭を切り替えて臨んで行きますので宜しくお願いします。
10月からはインフルエンザの予防接種も始まりますし、日曜診療も始めます。インフルエンザに関しては、昨シーズン異常行動とインフルエンザの特効薬タミフルの関係がとりだたされ、シーズン後半は外来での処方を自粛していました。
厚労省は最近になってようやく中断していた1万件もの異常行動に関するアンケート資料の分析を再開したようですが、タミフルとの関連をはっきりさせるにはまだまだ時間がかかりそうです。
当院での経験では、昨年およそ500余名のインフルエンザ検査陽性者のうち突然笑い出したりと異常行動の方が5名ほどいましたが、いずれも症状発現は発熱して2日以内であり、タミフルを内服していた人は一人もいませんでした。(当院に限って言えば、タミフルとの因果関係はなさそうに思えますが・・・)
今シーズンのインフルエンザ流行時期に入っても、厚労省からの明確な方針が出ない場合、タミフルの処方をどうするか全国の医師が判断に困ると思います。
小児科医としては、乳幼児のインフルエンザによる急性脳症の恐ろしさ・危険性を考えるとタミフルの処方は是非したいと考えますが、マスコミの報道のいかんによっては難しいかもしれません。
最近マスコミの先入観にとらわれた報道が世論を形成し、世の中を自在に動かしているように思えてなりません。
何が真実か注意深く見守って、むやみに振り回されずに診療をしていきたいと思いますが、なによりも国がきちんとした方針を出してほしいものです。