No.186 百万回生きたネコ

最近自殺がとても多い。首吊りはもとより練炭自殺・硫化水素自殺といろいろ流行があるようだ。
一方で、考えられないような動機や方法による殺人も増えたように感じられる。しかも遺体を平気でバラバラにしたりする。
秋葉原の無差別殺傷事件も到底、理解できるものではない。
いずれにしても、命をとても粗末に扱っているように思えてならない。
日本の社会も未曾有の好景気が長く続いていると政府は言うものの、庶民の感覚ではずっと不況が続いているように感じる。
そのためか事業に行き詰まったり、仕事がなくなったりして自殺する中年男性も多いようだ。その数は3万人を超え、交通事故死8千人を大きく上回っている。
そんな世相の中で、最近、大人の童話・絵本ともいうべき「百万回生きたネコ」という本に偶然出会った。
読んでみて一番に感じたことは、現世を憂い、来世に期待するよりも、現実に生きている今の生活を大事にし、妻や子ども達をもっともっと大切にして満足のいく一生を過ごしたいものだという気持ちで一杯になった。
もし皆さん方も少しでも関心を抱いたならば、絵本はクリニックの外来にも置いてありますので、職員にもお声をかけて下さい。
是非とも、大人も子どもも一緒になって読んでみて下さい。
そして、天から与えられた今の生命を大切にして共に生きていきましょう。