No.192 新年と医療問題

先月は合併号でしたので、遅ればせながら新年のあいさつを送ります。
新年明けましておめでとうございます。
今年2009年が皆様にとって良い年になりますよう、お祈りいたします。
さて昨年末から急に世の中が騒がしくなり、リーマンショックで株は世界的に大暴落するは、車が急に売れなくなり、派遣労働者の首切りが続出しているにも拘わらず、政府の政策は鈍く・的を得ておらず、まさに暗雲たちこめた新年の始まりとなっています。
幸い医療の世界では株の下落もリーマンショックも今のところ関係はあまりないようです。
ただ今年も患者さんのたらい回し・急患の受け入れ拒否、高次機能を持った病院に重症・軽症が入り混じって受診するため本来の機能が果たせない問題、勤務医の過重労働、訴訟の増加による産科・小児科医の減少、新臨床研修医制度による大学医局の衰退と地方の基幹病院の医師不足といったように医療の世界も難問が山積みです。
新臨床研修制度になって、若いドクターたちは今までの奴隷のように働かされてきた理不尽なシステムに一気に目覚めたのでしょう。
それをずっと承知していて、低医療費政策をしてきた厚生労働省の役人と政治家たちは本当に責任をとってもらいたいです。
医師をこれからどんどん増やすと言ってますが、効果が出るのは10年先。しかも女医の比率が3%くらいから今や45%くらいまで増え、結婚・出産・子育てしながら男性のように一生懸命働ける環境が整わなければ、いつか次々と家庭に入ってしまい、医師不足は解消できません。
もっと国が、政府が大胆に改善策を図り、医師も働きやすい環境を作らねば更に今後も悪化することでしょう。
開業医としても日曜・休日診療、夜間救急などももっと担わなければと思いつつ、これまでの政治の責任を問いたい気持ちです。選挙が楽しみです。