No.203 こんな本を読みました

みなさま新年明けましておめでとうございます。今年はどんな1年になることでしょうか?年末から何冊か興味深い本を読みましたのでご紹介します。
1つは厚労省技官・医師の木村盛世著「厚生労働省崩壊」です。省庁に働く官僚のキャリア・ノンキャリア間の差別や待遇の違い。いかに事なかれ主義で仕事をしないのが彼らの仕事か。縄張り意識が強く責任をとろうとしない体質。医者でありながら臨床経験も医療現場の実情も知らず政策立案されている実態。新型インフルエンザや生物兵器(天然痘など)テロに対する検疫対策の無策。
もうびっくりすることだらけです。官僚たちのひどさに、この本を読めば読むほど腹立たしさを超えて情けなく悲しくなりました。昔から日本の官僚は優秀で一流だが政治家は三流だとまことしやかに語られ、国民は長いこと騙され続けていたようです。
そういえば新型インフルエンザワクチンの接種もモタモタしてなかなかはかどらず、受けたい人に思うように行き渡っていません。逆に外国産のワクチンはいろいろ不安があり打ちたがる人はあまりいないようで、輸入を解約するとか、いやできないとかで、開発途上国の医療援助に回してしまおうという意見もあるようです。これらすべて役人の仕事の遅さと実情把握のお粗末さと思えてなりません。
もう1つは菊池英博著「消費税は0%にできる」です。今日本は10年デフレ、10年ゼロ成長で、税収は36兆円まで落ち込んで大騒ぎです。国の赤字は838兆円にのぼり、日々すごい勢いで利息が増え続けこのままでは子孫にものすごい借金を課すことになり国が潰れてしまう。国の支出を抑え、赤字国債を抑え、社会福祉・医療費を抑え、消費税を20%くらいにしなければならないという風潮ができつつあります。私もやむをえないのかなと思いつつありました。なにしろ連日テレビも新聞も政治家たちもそう言っていましたから。
ところがこの本ではそんなの全く嘘っぱちだと言い切っています。
日本は財政危機ではない。世界一の金持ち国家で300兆円のお金をアメリカに貸してあげており、国民の公的年金の積立金が200兆円もあり、特別会計の埋蔵金が100兆円あり、しかも国民の個人預貯金は1500兆円あるのだという。こうした資金(国民のお金)を国民のために使い経済成長を復活させれば消費税すらいらなくなり税収も自然に増えて、国の借金も減り失業者も減るのだという。
郵政民営化見直しをしたおかげで国民の郵便貯金がアメリカの民間保険会社に持っていかれアメリカの経済発展のためだけに使われるのを阻止したのだそうです。今そういう視点で政治の行方を見守っていますが、よい方向になればいいです。