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NO.21

平成5年10月5日発行

最近、ごく親しい友人の医師が脳腫瘍で倒れた。手術は成功してほぼきれいに除去されたと思われたが、半年足らずで再発してしまった。

以前にも増して大きな癌組織が脳の同じ部位に出現したため、もうこれ以上頭をいじらず、手術はしないでどこまで生きられるかに任せようかと彼は迷ったが、結局、いちかばちかで2回目の大手術を受けて成功した。そして更にあと半年は大丈夫との命の保障を得て、嬉しそうに電話をしてきた。「埼玉でもやってみたい事がいっぱいあるんだ。一緒にやろう・・・。」と。

そんなとき、テレビで興味深い番組を見た。動物好きのムツゴロー氏がかつて国内の草競馬に出場して馬を死なせてしまったことがあったそうで、当時自称動物愛護者達から「残酷だ、虐待だ」と非難されたそうである。

そのムツゴロー氏がモンゴルへ行って、もっと残酷な昔ながらの遊牧民の子供の競馬に参加したという。初対面の現地のじゃじゃ馬と練習を重ねているうちに、その馬から騎手として認めてもらえるようになり、晴れて出場する。
レースは過酷を極め、次々と倒れて棄権したり、死ぬ馬も出る中、ムツゴロー氏の馬も力尽きて、途中倒れるが、鞍を捨て、馬から降りて引っ張ったり押したり、最後までフラフラになりながら、まさに、人馬ともに命をかけて完走を果たす。遊牧民と馬たちはこのようにして、昔から命をかけた厳しいレースを経験しながら、大自然の中で、生き抜く知恵と力と本当の力を身につけてきたようである。
そして「生命の輝くような時間」を共に持った、人も馬もさぞかし幸せだろう。たとえ途中で死ぬような事があったとしても・・・。逆に命をかけない生は、腐敗するものであるらしい。

私も医者として多くの人の健康や生命(肉体的生命)にかかわる仕事をしている訳だが、人間にとって肉体的生命はもちろんかけがえのない大事なものではあるが、他にも大切にすべき、社会的精神的な生命が存在するものと思う。

せっかく医師として働くのなら、輝くような生き方をしている人のためにこそ貢献したいと思うのはなまいきだろうか?
さきの友人には、是非とも、少しでも多くの時間を生きて、もっと輝いてほしいと思うこの頃である。

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