NO.41

平成7年6月1日発行

6月ともなると、田植え・衣替え・そして梅雨入りの季節ですね。
最近の日本の住宅事情は断熱や換気が不十分のまま、気密性だけが高まってきたため結露が生じやすく、そのためこの季節になるとカビやダニが昔より発生しやすくなっているようです。
そのためアレルギー体質があり呼吸器系の弱い人たちにとっては、喘息や気管支炎の発作を起こしやすい気候ですから、注意が必要です。

しかし、カビ・ダニ・ホコリなどに対して必要以上に過敏になっている風潮があるのも事実です。喘息対策にあまりにものめり込みすぎて、ノイローゼに陥るケースもままありがちです。

もっときれいに、もっと清潔にと追求していくうちに、今や日本は不潔恐怖の神経症(ノイローゼ)社会に突入しつつあるのかもしれないとさえ思えます。
例えば、他人の座った便座に座りたくないので洋式よりしゃがんでする和風のトイレの人気が上がっている。電車の吊革にはハンカチでつかまる。学校で男の子が大便用のトイレに入るとからかわれるので毎日我慢しているうちに登校拒否になってしまった等の話をよく耳にするし・・・
転んでも自分で起きあがれず、ましてや手に泥や砂でもつきようものならパニックになり自分ではらうこともできずに泣きじゃくる子供。
夫や父親の下着を汚いとして箸で扱い、一緒の洗濯機で洗おうとしない妻や娘達。

なんでこんなにも病的な潔癖症的社会になってしまったのだろうか?
この息が詰まるような窮屈さは物質文明の高度な発展と関係性がありそうだし、ひょっとしてオウム教に走った今時の若者達の心情にも関連があるかもしれませんね。