NO.53

平成8年6月1日発行

チェルノブイリ原発事故から早いもので10年経ちました。
あの当時放射線障害は軽微で『大丈夫』と言われて、それを信じたロシアの国民、とりわけ多くの子供達が今、次々と甲状腺癌や白血病・脳腫瘍・神経障害などで発病し苦しんでいる事が判明してきました。

3年前の病院祭『げんきまつり』でもチェルノブイリ原発事故に関連して、日本の原子力発電所もかなり危ないという企画を立てたことを思い出します。
その内容の概要は、
1,日本でもあわやチェルノブイリ原発事故に匹敵する大事故になりかかった事が何回もあったという話。
2,原発施設の点検や修理が近隣の全くの素人の人達が『技術者』として登録されて下請け作業されている事。
3,白血病を発症した職員の検診データが捏造されたり、やってもいない検診を受けたようにして当局が責任を認めない話など
だったと記憶しています。

ところで、最近住専問題や血友病患者へのエイズ感染に関連して、今まできちんとした仕事をしていると思われ社会的信用度の高いお役所や銀行でも、かなりいい加減な仕事がされているんだなと感じさせられます。

これらのことで共通していることは、時に重大な情報が意図的に隠されて、大多数の罪のない人々が被害者・犠牲者となっている事ではないでしょうか?
そう言う意味では今後、様々な分野において『情報の公開』を求めていくことがとても大切になっていくことでしょう。

医療の分野においても『患者は何も余計なことは知らなくてもいいんだ。黙って医者を信じてかかっていれば、悪いようにはしないから・・・』という姿勢がだんだん通用しない時代になってきているように思います。

まずは何でも聞きやすい、言いやすい雰囲気を何よりも大切にして、外来で診療していこうと思っています。