NO.65

平成9年7月1日発行

7月に入るともうすぐ夏休みですね。
夏休みは子供たちにとってかなり長いお休みとなり、日頃の管理された学校生活から開放されて、様々な刺激的・冒険的なチャンスに恵まれます。
例えば、独立心を養うために一人でお使いをさせてみたり、おじいちゃん・おばあちゃんのいる田舎に兄弟だけでお泊りに行かせるなどいろいろやらせてみるお宅もあると思います。

しかし一方では、水の事故・交通事故・日射病・花火による火傷・誘拐など、夏休みには様々な病気や事故に出会ってしまう危険が増えるのも事実です。
更にそれに加えて、病んだ社会状況を反映するが如く、子供をめぐる残虐な犯罪が日本でもアメリカ並みに増えてきて、一層の注意が必要となってきました。

でも小子化にともない、子供たちのわがままを何でも大人たちがきいてあげたり、嫌がること・危険なことをさせずに遠ざけたりする風潮の中で、長い夏休みを利用していろいろな事に挑戦させることは、とても大切なことではないでしょうか。
せっかくの冒険や挑戦のチャンスを諦めて、絶対安全な柵の中だけで子供たちを過保護にすごさせるのはとても残念な気がします。
できることなら子供たちを自由にのびのびとすごさせて、たくましく創造力豊かに育てていきたいものです。

そのためにはまず大人たちが、自分に関係のある子供だけでなく周りの全ての子供たちに関心を持ち、時には遠慮なくしかり、時にはそっと援助の手をさしのべるという風になる事が必要ではないかと思います。

先日久しぶりに乗った電車の中で、高校生の男女が周りの迷惑もかえりみず傍若無人に振る舞っていて、いつ注意してやろうかずっとにらみつけていたことがありましたが、そこまで大きくなってからでは手遅れかもしれないし、へたすれば歯止めのきかない暴行を受けて殺されでもしたら殺され損だしと考えてしまいました。

やはり子供たちを小さいうちから、学校や家庭だけに任せないで、地域社会全体で守り・育て・しつけるような意識を強くもたなければいけないと思いました。