NO.68

平成9年10月1日発行

倹約と質素、物を大切に使う精神を再認識してイギリスから戻って1ヶ月ちょっとたちました。
現在私は、雨が降らなければ、なるべく自転車を乗るように心がけています。
自転車に乗るようになって気がついたことがいろいろあります。
今まで車で走っていたときは、自転車やオートバイがチョロチョロして「危ないなあ」とじゃまに思えてました。

ところが自転車に乗ってみると、歩道はデコボコしていて狭く、しかも所々には電柱、樹木がさらに道を狭め、走りにくい事このうえありません。
ついつい走りやすい車道へとはみだすことになります。

そんな折、夜帰宅途中、すいている車道を走っていたところ、大型トラックがわざわざ左側へ近寄ってきてスレスレに猛スピードで走りぬけました。
私はその風圧と恐怖で縁石に乗り上げ、自転車から左後方へ放り出され歩道で2回転してしまいました。
そのトラックは止まる事なく走り去ってしまいましたが、故意にやったとしか思えません。
幸い高校時代に体育で柔道を選択していたのが役に立ったのか、見事な?受け身で左腕・肩を軽く打撲するだけで済みました。

学生時代トラックの助手のバイトもした事があり、トラックの運転手さん達の疲れとかイライラ・ストレスも分かるのですが・・・・ちょっと発散の仕方が歪んでいますね。
その後しばらくして今度は自転車同士で嫌な思いをしました。
トラックに懲りてそれ以来、私はかたくなに歩道のみを走るように心がけていましたが、狭い歩道で向こうから60才代と思われる男性が自転車に乗って走ってきました。
このままお互い無理してすれ違うと左側の田んぼに自分か相手のどちらかが落ちてしまいかねないと感じ、右側のより狭くなっている樹木の手前で止まったところ、すれ違いざまにその初老の男性が「左側通行だってしらねえのか」とどなって通りすぎました。

笑顔で道を譲った私は一瞬キョトンとなり、その後ジワジワと怒りがこみ上げてきました。
どうして素直に「すいませんね」とか「ありがとう」と言えないのだろう。分別ざかりの大人がこのありさまです。

これでは「どうも近頃の子供たちは・・・」なんて言えませんね。
子供に限らず大人自身もひどくトゲトゲしくイライラした気持ちで生活しているようです。
ゆったりした雰囲気のイギリスを思い浮かべて再度私は思いました。
これからの日本がお手本・目標とするべき国は断じてアメリカのような国ではなく、イギリス・ヨーロッパのような落ち着きとゆとりを感じさせる社会がいいのにと・・・。