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NO.98

平成12年7月1日発行

本当に久しぶりに行われた総選挙が終わりましたね。結果にあなたは満足できましたか?私は東大小児科医局で尊敬する先輩の阿部知子さんが南関東比例区(社民党)で当選したので嬉しくてたまりません。きっと大活躍するはずです。

それにしても森総理の「神の国」発言は時代錯誤も甚だしかったですね。
天皇ご自身も「迷惑」に思われたのではないかと私は思います。

さて最近の子供達の引き起こす凶悪事件やら不登校の原因分析のキーワードは「バーチャルリアルティ」だそうです。「仮想の現実」といいます。

今の子供達はテレビゲームの中でニセモノの体験ばかりして、汗水たらしての現実の体験がないまま過ごしていくうちに、他人の痛みも分からない人間になってしまいがちです。

殺人などの取り返しのつかない結果になっても、ゲームであれば、リセットボタンを一回押すだけで何度でもやり直しがきき、生命さえも元通り生き返り、次第に現実の感覚が麻痺してしまう。
そんな事と今回の森総理の暴言が本質は同じように思えてなりません。

というのも、私の父(80才)は実際に戦争に動員され、インドネシア方面で100人以上の部隊長を務めたそうですが、部下達が敵の砲弾で目の前で亡くなったり、現地人を誤って車ではねて死亡させてもお金で簡単に補償して終わらせたり、占領地域の現地人の金品を略奪したり、女性を辱めたりと、戦争という特殊な環境ならではの出来事がいっぱいあったと聞いています。

敗戦後はインドネシアの刑務所に収容され、病気や栄養失調で100人中半数以上の部下達が死んでいき、日本の地を踏む事ができなかったそうです。
「戦争はもうこりごり」「天皇陛下のために闘ったのではなく、国に残してきた愛する家族達を守るために闘った。」と言い、心に大きな傷を今でも抱いているようです。

しかし森首相の年代はといえば、戦争には行かないで済み、勇ましい軍国主義教育だけが、「バーチャルリアリティ」として頭の中に残されているようです。

そんな人が今、やたら頭の中や言葉だけ勇ましげに、「戦前のようなシステムでこのたるみきった日本人の(若者の)精神を鍛え直して、犯罪や不登校を解決しよう」とばかりに「戦前教育の復活」を唱えているのを聞くにつけ、今の子供達も森首相の年代の大人達も結局同じ「バーチャルリアリティ」に洗脳されてしまっているように思えてなりません。

もっと生身の体で現実をしっかり体感し、実感して自分なりの価値観を築いていく必要が大人も子供もありそうですね。

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