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夜尿症について

おねしょは大昔からあったようで、古代ギリシャ時代のヒポクラテスという人が、観察の記録を残しています。
子供の場合、ほぼ毎日おもらしをする子が多いため、布団の乾燥、衣類の洗濯が大変で、母親が思い余って、相談に訪れる事が多いのですが、大人の場合には月に1~2回、年に数回でも悩んで来るようです。
要はその頻度ではなく、本人や周囲の人がそのことで困ったと悩んで来院すれば、一応医療の対象としての夜尿症と考えることにしています。
但し子供の場合、一般的には、2才で排尿自立が確立し始め、3才には夜尿症はほぼなくなる(5~10%位はまだいますが)といわれていますので、4才過ぎになっても夜尿を繰り返す場合、一応治療の対象と考えてもよいでしょう。
ただこのくらいの低年齢の子供は、1~2年の間に自然に治ることがかなり期待できるので(2~3%に減ります)、ケースによっては積極的な治療をせずに、簡単なアドバイスで様子をみることのほうが多いでしょう。
外来を初めて訪れる患者さんの年齢は、4~5歳と10~11歳に多いようですが、それはその頃に幼稚園等の集団生活に入ったり、学校の課外活動で泊まる機会が始まるので、そろそろ何とかしなければという気持ちが働くからでしょう。
夜尿症と一口に言っても、もとにおしっこをもらしてしまう原因となる病気が隠されていることが稀にあるので、それらを見逃さないよう注意が必要です。
例えば、尿路の奇形で、尿がボウコウに流れ込まず、チツや尿道にもれてパンツがいつも濡れているとか、ボウコウエンのため頻尿を繰り返していたとか、糖尿病や尿崩症といった多尿をきたす病気のせいであったり、脊椎破裂や水頭症といった神経系の異常があったり、てんかんの症状としてのおもらしであったといったものを除外しなければなりません。一般的な夜尿症は、大きく2つのタイプに分けられます。
1つは赤ちゃんの頃からずっとおねしょを毎日し続けている生来型(90%)と、もう1つは、いったん排尿の自立が出来てから、再びある出来事をきっかけに始まってしまう獲得型(10%)です。夜尿症が起こるそのしくみについては様々な仮説が言われていますが、
1. 脳の下垂体から分泌される抗利尿ホルモン(尿の産生を抑える働きがある)は、夜には昼間よりずっと多く分泌され、夜間の尿量を減らすはずなのに、夜尿症の人は抗利尿ホルモンの夜間分泌が少ないため、寝ている間に作られる尿が多く、もらしてしまうのだとか、
2. 夜尿症の人は眠りが深すぎて、尿意をもようしても目が醒めず、ついしてしまうのだとか、
3. ボウコウにためられる尿量の限界が平均より少ないので、寝ている間にすぐ限界に達して出してしまうのだとか、
4. その他心理的影響がからんでいるようです(特に獲得型に多い)。
次に治療ですが、まず生活指導上3つの原則があり、
1. 起こさない(睡眠パターンが崩れて抗利尿ホルモンの昼夜の分泌サイクルが確立しにくくなるので)
2. あせらない
3. 怒らない(自信を持たせる)
を基本に心理的負担を除いてやる必要があります。
さらに、食生活上の注意ですが、水分をついたくさん欲しくなるような、極端に辛い物や甘いものを、家族ぐるみで協力して控えるとよいでしょう。
また、牛乳は栄養が豊富だとの考えから、水代わりにたくさん飲むのを奨励している親が多いものですが、少なくとも夕方から夜にかけては、水分摂取を控え気味にすると、それだけでもかなり効果があります。
次に薬物療法ですが、ある種の抗うつ剤が夜尿症にはよく効きます。副交感神経遮断薬と併用するとさらに効果が上がります。
他に漢方薬や向精神薬を使う事もありますが、だいたいこのくらいまでの治療で、ほぼ90%の人は治るようです。
他にも、ボウコウに尿をたくさん溜められるようにするトレーニングをしたり、行動療法的試みをしたり、いろいろな治療があるようですが、それでも効果のない人の場合、抗利尿ホルモン剤の点鼻薬を寝る前に使用すると効果がかなりあるようです。
但し、薬物治療では、副作用に留意する必要があるため、よく担当医師と連携を取って、根気よく治されるよう心がけてください。
いずれにしても、極論すれば、夜尿症は年齢とともに自然とよくなるものであり、それまで待ち切れない人のために、一応あれこれと治療を試みているだけなのですから、うちの子は少し「おくて」なのだと、「大器晩成」を決め込んで、ゆったりとした気持ちでみていくと、心身ともによい結果が得られるものと思います。
なお夜尿症治療に定評がある病院としては、東京都世田谷区にある都立母子保健院小児科がゆうめいですよ。

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