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水イボの治療についての考え方

夏が近ずきプールの季節になると幼稚園や小学校から「プールに入れる前に治療して下さい」と言われて、水いぼの治療に来る患者さんが急に増えてきます。
水いぼの正式名は「伝染性軟属腫」と言い、水いぼウイルスによって伝染する柔らかなイボの一種です。小さいものは直径0.5mm、普通は2mm前後、大きいものは5mm大にまでなり、淡紅色で半球状に隆起して、光沢があり、中心部分が少し凹んだ形をしています。それが首や腋の下、側胸部、腕.臀部.陰部に好発してできるのです。そして殆どの人がアトピー性皮膚炎の体質を持っているのが特徴です。
「プールの水で伝染する」と言われていますが、実際のところは分かりません。「ビート板を介してうつるのだ」とか、「プールの水に長くつかっていると皮膚表面の油膜がとれて、感染に対して弱くなるためだ」とか言われています。
私は「アトピー性皮膚炎の人はいつも痒がって、しかも長く伸びた汚い爪でボリボリ掻いて、ひっかき傷を体のあちこちにこしらえがちであり、その傷口から接触性に伝染するのだ」と考えています。
同様の理由からトビヒ(伝染性のうかしん)にもなりやすいものです。また不思議なことに、小学校低学年を過ぎると急に水イボ患者はみられなくなり、患者の殆どは幼児から学童までです。
おそらく一定の年齢になると水イボウイルスに対する抗体ができてきて、発症しなくなるでしょう。
だから一般的に大人は水イボにかからないのです。(但し、欧米では性交に伴って大人も陰部に水イボができてしまう人が増えてきて、エイズ同様に免疫学的に注目され始めています。)
治療に対する対応は医師によりまちまちで、取り除くべきなのか、その必要がないのか戸惑われる人が多いと思います。
絶対治療をしないという立場をとる医師は、「放っておいてもいつかは自然に治るのだし、そもそも水イボくらいでプールに入れないのは不当であり、園や学校が態度を改めるべき問題である。」「子供を痛がらせて、大泣きさせてまで治療するのはよくない。一種の虐待である。」「水イボの治療はとても手間がかかり面倒で、しかもなかなか取り尽くせず、再発してしまうのでやっても無駄である。」などの意見を持っています。
確かに水イボは放っておいても半年~3年位で自然に治るし、他人にうつしてしまう事や見栄で気にさえしなければ、特に命にかかわることでもないので、絶対に治療しなければいけないものではありません。
しかし、治療者が面倒がらず、しかもやり方を工夫さえすればそれ程痛くなく、再発も少なく治療することは可能です。恐怖心のない赤ちゃんの場合、水イボをとっても全く泣かない子もいるくらい痛くありません。但し、物心ついて恐怖心を持ったり束縛をいやがり、強制を拒否する心が芽生えた年頃になると(特に男児)、痛さの程度以上に泣きわめき暴れて、治療できない場合もありますので、それでも強制的に治療することは、親にとっても医師にとっても得策ではないでしょう。
結局治療するか否かはケースバイケースということになります。
その上で、どうしても治療できない人でプールに入れてもらえない人は、園や学校側に医師の意見書でも添えて出すか、硝酸銀液を患部に少しつけて焦げ茶色にして、「治療しました」というのも一案でしょう。
水イボの治療はまずアトピー性皮膚炎の治療が大切です。
痒いと爪で掻いてしまい、水イボをかえって拡げてしまいます。また小さい水イボと乾燥膚のザラザラとは区別がつかないことがありますので、そのような場合はまずアトピー性皮膚炎の治療をしてもらいます。そのためには爪を短く切り、手を清潔にし、体を刺激の少ない石鹸で毎日洗って汗や汚れを落とし、スキンケアに努めます。
必要があれば、痒み止めや抗ヒスタミン剤を飲んだり、ひどい部分には湿疹治療の軟膏を塗ってもらいます。
このようにして健康皮膚面と水イボがはっきり区別がつけば、リングピンで一つ一つ摘んで取り除きます。健康な皮膚面を摘むのと違って、さほど痛くないはずです。摘むと中から脂肪の塊に似た球状の小さなイボの芯が取れます。小さいものは根っこの部分から芯が取れませんが、皮膚表面が少し傷つけられて、血液や浸出液が出てくれば、その上から硝酸銀液で焼いたり、ドライアイスで凍らせたりしてウイルスを殺して治療のダメを押します。そうすると取り残しもなく、褐色に変化し、乾燥してかさぶたとなり、数日もすると垢と一緒に自然にはがれ落ちて再発しません。
摘み取るのをどうしても嫌がる場合は硝酸銀液を毎日一回水イボ表面に塗って、3~4日続けると、1~2週間のうちに垢と一緒に脱落することも期待できます。
以上の事を参考に治療の是非、内容を決めて下さい。

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