インフルエンザの予防接種について

今年よりインフルエンザの予防接種は、大人は1回でも効果があると言う事で、0,5ml1回接種になります。
3年前に医師間で行っているインターネットの情報交換で「アメリカの論文に大人は1回で効果は充分と載っているがどうなんだろうか」という話が持ち上がり、さっそく厚生省のホームページに質問のメールを送ってみました。
しかし残念ながら返事はもらえず、無視されてしまいました。
ところが昨年、新聞の家庭欄で同じ疑問の記事が取り上げられたところ、たちまち厚生省は大人は1回でもよいという見解通達を出しました。
昨年はワクチンが大幅に足りなくなり、大パニックになったのもその一因とも思えますが、マスコミに官僚は弱いのだなと改めて思いました。
子供は2回接種が必要で、接種の量は年齢によって、0,3mlと0,2mlとなり、そのぶん値段も安くしてあります。なるべく多くの人に受けてもらいたいと思うからです。
接種時期は1回きりの大人は11月下旬頃から12月中旬の間がよいでしょう。遅くとも12月中にお願いします。
2回接種する子供は10月下旬から12月中旬までには1回目を済ませ、1回目を早めに済ませた人は4週間あいだをあけて、遅めに受けた人は1〜2週間あけて接種するとよいでしょう。
効果に関して疑問を投げかける医師のグループもいますが、私の身の回りの経験では、まず私は過去4年間続けて打っており、とても多くの患者さんと毎年接していますが、ここ数年間かかっておりません。
今まで嘱託医をしていた老人ホームでも過去3年間続けてやっていますが、入居のお年寄りからは一人の患者さんもここ3年間出しておりません。
むしろ接種をしなかった体力に自信のある若い職員が何人かづつ、毎年かかっております。
また患者さんからの口コミ情報によると、行田を中心とする5〜6市町村で毎年1人はインフルエンザによる脳症で亡くなっているようです。
もしもインフルエンザにかかってしまったら、初期であれば迅速診断法で10〜15分程で確認し、すぐに特効薬を飲めば、比較的軽く済ませることもできますので、早めに受診しましょう。
急性脳症の合併症の場合は発病早期から急激に進行するので治療に間に合わない事が多く、ワクチンで予防するのがやはり一番よい方法のようです。