プール熱(咽頭結膜熱)について

夏風邪の代表的なものの一つに「プール熱」があります。正式には「咽頭結膜熱」といいますが、プールの水を介して伝染することがあるため俗称プール熱と呼ばれています。
実際にはプールに入らなくても咳、くしゃみ等から飛抹感染や直接感染することも少なくありません。
アデノウイルス2,3,7型による感染症で、外来で簡単に迅速診断ができます。
4歳から10歳程度の幼稚園児から小学生に多く発症します。潜伏期間は1週間ほどで、急な発熱で始まることが多いのが特徴です。高熱が出て、頭痛・のどの痛み・鼻水が出る等一般的な風邪の症状の他に扁桃腺が腫れることが多く、結膜炎を併発することも多くなっています。
結膜炎は目やにや充血が主な症状で、まぶたが腫れることはありますが、化膿することはほとんどありません。
登校・登園の基準は学校保護法で第2種伝染病に位置づけられ「主要症状が消退した後2日を経過するまで出席停止とする。但し病状により伝染の恐れがないと認められた時はこの限りではない」とされています。
予防としては、流行時にはうがいや手洗いの励行が大切です。便にもウイルスがいますので、排泄後のオムツの交換後の手洗いは重要です。
目やにからの感染もあるのでタオルの共有はやめましょう。
プールを介しての感染については、水泳前後のシャワー、洗眼、プール水の消毒を徹底します。
ほとんどの場合10日前後で完治しますが、アデノウイルスは3週間前後体内にとどまると言われていますので、他の人にうつさないためにも、症状が出てから3週間程度はプールに入らないようにしたほうが良さそうです。