乳幼児突然死症候群について

可愛いさかりの赤ちゃんがある日突然死亡する、としたらこんな恐ろしくも悲しいことはありませんね。
「それまでの健康状態および既往歴から全く予想できず、しかも剖検によってもその原因が不詳である乳幼児に、突然の死をもたらした症候群」と定義されるものがこれです。だからいくら突然死亡しても、吐いた物をのどに詰まらせての窒息や頭蓋内出血などによるものとははっきり区別されます。
抗生剤や新生児医療の発展によって、日本の乳児死亡率は世界で最も低くなりました。
だからこそ一層乳幼児突然死症候群が注目されるようになってきたのです。
数年前に元横綱千代の富士の子供さんがこの病気で亡くなって、日本でもこの病名はだいぶ有名になってきたようです。
一番危ない年齢は2~4ヶ月で、およそ8割は5ヶ月前の赤ちゃんです。日本ではその発生頻度はおよそ2,000人に1人といわれています。
危険因子としては出生時の仮死、低体重、未熟児、そして最も注目されているのがうつ伏せ寝です。欧米でよく行われ、頭の形がよくなるからと日本でも流行してきたのですが、イギリス、オランダ、ニュージーランドで「うつ伏せ寝」をやめるキャンペーンをしたところ、赤ちゃんの突然死の頻度がそれまでの1/3~1/5に激減して一躍注目されるようになりました。
理由はまだよく分かっていませんが、ともかくうつ伏せ寝は避けたほうが無難のようですね。