手足口病

だいぶ暖かくなってくると、様々な草花と同様にいろいろな病気がはやり出します。
最近早くも夏によくはやる「手足口病」の兄弟の患者さんに出会いました。
手足口病とは名前の如く手のひらや足の裏、口の中(その他膝や肘、お尻)に水泡疹ができる風邪の一種で、原因ウイルスとしてはたいていコクサッキーA16、エンテロウイルス71である事が多いようです。
飛沫感染で、潜伏期間はおよそ3〜7日程、あまり高熱は出ないが、まれに大人がかかると微熱でもかんりの頭痛や関節痛に悩まされます。
特別な治療法はなく、解熱剤や口内局所の痛み止めの処置、輪液などの対症療法と経過観察程度のみ。
症状がたいしたことがないので今までは通園・通学も許可していましたが、1997年にマレーシアで30数名、1998年には台湾で70数名もの子供達が死亡し、一時パニック状態になりました。
幸いわが国には同じタイプのウイルスが上陸していないので、死亡例の報告は見られていません。
しかし、今後の流行状況、ウイルスのタイプには充分注意を払う必要がありそうです。
もちろん通学・通園の禁止も慎重に行ったほうがよさそうです。
海外の死亡例はほとんど、無菌性髄膜炎や急性の脳炎・脳症といった中枢神経系の合併症でなくなっています。
慎重に診ていきたいと思っています。