紫斑病について

出血傾向を起こす病気には、血友病とかいろいろと恐い病気がありますが、小児に比較的よくみられる病気としては紫斑病があります。そのなかでもアレルギー性紫斑病と血小板減少性紫斑病はその代表的なものです。
(A) アレルギー性紫斑病
人の名前をとってシェーンライン-ヘノッホ紫斑病ともいわれています。お腹がとても痛くなり血便を伴うパターンと手足の関節が腫れてとても痛くなるパターンと分かれます。
いずれのタイプも顔や背中、耳たぶそして手足にポツポツと大小の赤い発疹(紫斑)ができます。そうなる前に熱が出たり、喉が真っ赤に腫れて溶連菌による感染がひきがねになっていたということが多いようです。治療には血管強化や止血剤の内服や重症の人にはステロイドホルモン剤の内服や点滴をしたりします。時に腎炎を併発して血尿や蛋白尿がしつこく続くこともあります。
(B) 血小板減少性紫斑病
原因不明が大部分ですが、薬剤のせいだったり、膠原病のはじまりだったりいろいろです。症状はきれいな赤い小さな発疹(紫斑)が顔や首、耳たぶ、背中、手足などいろいろなところにできます。痒くはありません。口の中の粘膜、歯ぐき、舌の表面に皮下出血をおこしたり、びっくりする程真っ赤なおしっこになったりします。
採血して血液中の血小板数を至急調べて、かなり減少していることを確認して診断がつきます。その数が2万~5万(正常値20~25万)くらい下がる事はよくありますが、1万を割ると頭蓋内出血が恐いので、入院して安静にしたほうがいいでしょう。
治療はやはり血管強化剤や止血剤、ステロイドホルモン剤の内服や大量点滴そしてガンマーグロブリン製剤の大量点滴などをします。比較的短期間で回復するものですが、時に慢性化することもあります。赤いポツポツには気を付けてくださいね。