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げんき便り 2013年9月号 心の病気・身体の病気

今月はげんきクリニックの特徴の一つである「心の病気・心の治療」について述べます。
私は医学生時代に精神医療研究会というサークルに所属していました。

高尾山近くの精神病院に他の患者さんに内緒で1週間ほど体験入院させてもらったり、精神病院を退院したばかりの患者さんと自分の下宿で数か月間同居したり(怖い先輩の命令でしたから逆らえません)とどれも衝撃的であり、かつとても良い体験をさせてもらいました。

でも30数年前の精神医療は学生運動・反体制運動のピークで、その全国学生サークルはある新左翼系革命組織の隠れ大衆運動組織でした。地域精神医療学会ではヘルメットをかぶり角材が持ち込まれ患者さんそっちのけで大乱闘が起こったりもしました。

大変失望した私は精神科医にならず、子供が好きだったのと、その当時の東大小児科の医局がとてもユニークだったため小児科医の道を選んだのです。

今思うと東大の小児科は自分にぴったりの診療科・医局であったと思っています。運命を感じます。その中でも子どもの抱える心の病気に学生時代の頃の思いが呼び覚まされて心の治療に熱心に取り組みだし、成果が上がると医局内でいつしか心の治療が私の専売特許のようになってしまいました。

そのうち総合病院勤務の時に内科のドクターに、大変なうつ病の患者さんを診てくれと頼まれたのがきっかけで大人も見るようになり、開業前に2年程内科・整形外科の勉強をして22年前にこの行田の地にげんきクリニックをスタートさせました。

その時思い切って心療内科と精神科デイケアを同時に始めたのです。

人間の病気には心だけの病気とか身体だけの病気とかきれいに分けられるはずがありません。今そのことを強く実感しています。

ただ今のように超多忙の中、私1人で多くの患者さんと多くの時間を割くこともままならず、何人もの臨床心理士さんにカウンセリングをお願いし、精神科デイケアの多くのスタッフの協力をお願いしています。みなさんとても優秀で、いい仕事をしてくれています。

心の病気、心の治療に関わるようになって気が付いたことがあります。

東大小児科医局の先輩で当初外来を応援してくれた尊敬するあるドクターの言葉を借りると「お前の診療所の外来に来ると今の子供から大人、お年寄りまでの精神・経済・社会状況が不思議とよくわかるな!」と仰っていました。私もそう感じています。だからどんなに大変でも病気を身体のみに限定して診たくないのです。

今年の5月のクリニックのバス旅行で東京タワー、水族館の他に昼食で品川プリンスホテルの超豪華なバイキングを食べたのですが、カニ料理も食べ放題でした。後で聞いてびっくりしましたが精神科の患者さんの中にはカニ料理を生まれて初めて食べたそうです。

成育暦や病歴を思い起こしてみるとそうだったのかと合点がいきます。まさに一見豊かそうに見える今の日本の本当の状況が見えてくる思いです。もっと神経を研ぎ澄まして、自分がこれから医療を介して何をなすべきか真剣に考えていきたいと思います。

院長

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