げんき便り 2015年4月号「医者の不養生」

人間歳を取ると体のあちらこちらにガタがきてしまいがちですね。

行田市の介護保険認定審査委員を医師会から頼まれ、2年間やってきましたが、今年3月で終了しました。その経験からすると人間は80歳あたりを過ぎるとガクンと介護度レベルが上がるのがよくわかりました。

「一病息災」という言葉がありますが、一病どころではなくたくさんの病気を合わせ持っているのが私たちの実情ではないでしょうか?

かく言う私も、子供の頃は花粉症に喘息様気管支炎、20歳のころは自然気胸で交互に両肺が破けたりといろいろありました。

50歳代半ばでは脳ドックで小脳に血腫が見つかり、続いて腎・尿路結石を発症、他には高血圧、脂質異常症、高尿酸血症、前立腺肥大、過敏性腸症候群それに不眠症と世の中の大概の病気を持ち尽くした感があります。

「医者の不養生」の典型と言われそうですが、一応薬の内服と食事に気を付け、お酒の量を減らしたりして現在のところデーターはすべて正常を保っています。(えへん!)

あと、犬の散歩中に急にロープに引っ張られ、足元がぬかるんでいた事もあり見事にスッテンコロリンと転んで左手首を骨折したこともありましたっけ。ちょっとした段差につまずくし、もういい歳ですかねぇ。

電車やエレベーターの戸が閉まりかけても、昔のように猛ダッシュして駆け込むことはしなくなり、今では静かにやり過ごす事にしています。

こういうのを「病気自慢」と言うのでしょうか?

しかし子供のころから病気ばかりしていたおかげ(?)で医者になろうという気になったようだし、なってみればいろいろな病気の事が自分の体で実感できて、治療のヒントにもなって役立っているし、案外悪い事ばかりではありません。

こうして毎日外来に出て多くの患者さんと接して、グルグルと頭を使っているおかげで認知症も年相応の物忘れ程度ですし、犬の散歩も毎朝やれています。

これからも世の中に迷惑をかけない程度に社会とのつながりを大切にし、これまで無事安泰に生きて来られた恩返しのつもりで一生懸命働いて生きていこうと考えております。

今は東京オリンピックを心身ともに元気で迎えることを1つの大きな目標にしていこうと思っています。みなさまもどうか病気に負けず、毎日を健康で充実してお過ごしください。

院長