げんき便り 5月号 未来の保育士に会い、未来の子供たちを思う

つい最近、未来の保育士さんを養成するある短大の「小児保健」の授業を引き受ける事になりました。するとテレビでよく見るローラのような子達が当たり前のようにいてびっくりしました。
色白で足がスラーっと長いところにではなく、そのしゃべり口調に驚いたのです。良く言えば明るくてフレンドリー、悪く言えば口のきき方がなっていない。

敬語、謙譲語、丁寧語がめちゃくちゃで、目上の人や年長者に対しても友達のように振る舞い、「それ何?イヤダー!ほんと?チョーやばいじゃん!」といった調子。
私が「子供が5人いる」と話すと、なぜか温かく拍手喝采してくれたりと優しい反面、放っておくとすぐにペチャクチャ始まり、「うるさいぞ!人が話している時に雑談しているんじゃない!」と怒鳴る事5,6回。ついに「バカヤロー!」と海に向かってではなく席の後ろの方に向かって叫ぶと、「こわーい!もっと優しくして!」と返してくる始末。参った!

最初の授業は「子供と大人の違い」という演題で、「自分はどれくらい本当の大人に近付けているか?」を考えてもらうものだったのですが、終わってすぐ1人の学生が「今日の授業はなんでしたっけ?これ試験に出ます?」と尋ね、また「バカヤロー」で終了しました。
福沢諭吉の「学問のススメ」についても触れ、「「天は人の上に人を作らず、人の下に人を作らず」は有名で誰でも知っている言葉だろうけれど、でもその後にもっと大切なことを言っているよ!」と言って黒板に「されど賢き人あり、愚かなる人あり」と乱雑に書くと「読めなーい!もっとちゃんと書いてー!」ときた。

「バカヤロー!人の話をちゃんと聞いていりゃあ分かるだろーが!だから君たちは学問をする必要があるんだよ!」てな具合で「超」新人類にかなりのカルチャーショックを受けました。

でも「大学に入って何をしたい?」と聞くと「学問をして教養を身につけたい。資格をしっかり取りたい」とみんな前向きな姿勢で一安心しました。

まさに「ダイヤモンドの原石」です!彼女らを任された責任を感じて、しっかりと楽しくそして為になるような授業をしなければいけないな!と強く思いました。

「子どもの日」も近いですが、日本の今どきの若者、そして将来彼女達に育てられたり、保育されるであろうこれからの子ども達がどのような大人になっていくのかをとても考えさせられました。

もちろん今どきのお父さんやおじいちゃんおばあちゃんのあり方にも危惧しています。みなさん!子どもをしっかりしつけていきましょう!でもその前に自分自身をしっかりと振返る事も必要ですよね。

院長