げんき便り 8月号「精神科デイケアの終了」

「広い海へ出てみよう」東京海洋大学助教授さかなくんよりのメッセージ

「中1のとき、吹奏楽部で一緒だった友人に、誰も口をきかなくなった時がありました。 いばっていた先輩が3年になったとたん、無視された事もありました。

突然の事で、訳は分かりませんでした。でも、さかなの世界と似ていました。
たとえばメジナは海の中で仲良く群れて泳いでいます。狭い水槽に一緒に入れたら、1匹を仲間はずれにして攻撃し始めたのです。怪我してかわいそうで、そのさかなを別の水槽に入れました。すると残ったメジナは別の1匹をいじめ始めました。助け出しても、また次のいじめられっ子が出てきます。

いじめっ子を水槽から出しても新たないじめっ子が現れます。

広い海の中ならこんなことはないのに、小さな世界に閉じこめると、何故かいじめが始まるのです。同じ場所にすみ、同じエサを食べる、同じ種類同士です。
中学時代のいじめも、小さな部活動で起きました。ぼくは、いじめる子たちに「何で?」と聞けませんでした。でも仲間はずれにされた子と、よくさかな釣りに行きました。

学校から離れて、海岸で一緒に糸をたれているだけで、その子はほっとした表情になっていました。話を聞いてあげたり、励ましたりできなかったけれど、誰かが隣にいるだけで安心できたのかもしれません。

ぼくは変わりものですが、大自然の中、さかなに夢中になっていたら嫌な事も忘れます。大切な友だちができる時期、小さなカゴの中でだれかをいじめたり、悩んでいたりしても楽しい思い出は残りません。外には楽しいことがたくさんあるのにもったいないですよ。広い空の下、広い海へ出てみましょう」

げんき便り8月号はさかなくんの言葉の引用で書き始めます。人間が狭い社会に汲々と生きてると、よく起こりがちだなあとつくづく思います。とても残念に思います。

ところで突然ですがこのたび、『デイケア・ナイトケア,グループホーム全てを廃止する』事にしました。皆様方は驚くかもしれませんが、熟慮の末の結論であり私自身は後悔はしておりません。ものすごい出費と労力を要しはしますが仕方ありません。

ただ患者さん達に一番迷惑をかけてしまう事は避けられず、悩みに悩み、ちゃんと移転先を全力で探す事がせめてのお詫びと考えておりました。

なるべく早く入居先を探したり、作業所を探したり引越し建物の解体など、後始末が大変です。(お蔭様で関係者の必死の努力もあって、何とか7人全員の移転先の目途が7月中につきました。)

職員が多すぎて(50人近くもいました)、全ては私の目が十分に行き届かなく、一部職場の職員に好きかってにさせてしまっていた「私の管理不行き届き」が原因だと思って反省しております。とても残念に思います。

これからはせめて『外来診療、病児保育所、心理カウンセリング、障害児リハビリ』の分野だけでも、これまで以上に、やさしくて立派な職員の団結と協力の下で仲良く暖かい雰囲気でがんばっていきたいと思っております。

追伸:16年間家族と生涯を共に過ごしてきた愛犬がつい最近老衰で亡くなりました。 でも「命のはかなさや大切さ、絆の強さ」を我が家の家族全員に教えてくれました。
げんきクリニックも新たなステージに第一歩を踏み出す時が来たと強く感じています。

院長