げんき便り2014年11月号 勤労できる幸せ

11月23日は「勤労感謝の日」で国民の祝日にあたります。
暦でその期限を辿ると新嘗祭(にいなめさい)という「秋祭りの日」だったそうです。
その日に今年新たに収穫されたお米を、天皇が神様に捧げ、感謝をしつつ食べるのだそうです。日本は今でこそ高度に発達した工業国ですが、もともとは農耕が主体の国でした。今では世界で一番「勤勉」で、真面目で几帳面、何事もコツコツと努力する素晴らしい国民性だと言われています。

「勤労を感謝する」というのは確かに的を射た良い言葉だと思います。
一生懸命労働して「傍(はた)を楽に」してあげるのが「働く」本当の意味だと昔からよく言われていました。
ところで「共産主義」という言葉は今でこそとても「悪いイメージ」を抱かれていると思いますが(中国や北朝鮮の様子を見るにつけても・・・)、しかし本来は一人一人勤勉に働いて食べ物や生活必需品を生産し、その富の集積が一定量以上豊富になるとそこに暮らす全ての人間がどんな日常の生活にも困らない豊かで快適な生活が送れるようになるはずです。しかもその富をたくさん生産した人が自分の取り分を沢山よこせと「欲」をかかず、自分への分配はこの位で満足だと言えば全ての人がかなり「文化的で豊かで幸せな生活」を享受できるはずです。それが共産主義の本来の原点だと思います。

しかし残念ながら世界を見渡す限りそのようなことを実現できた国は一つもありません。
富を独占した一部の特権的な人のみが欲望に任せて贅沢な暮らしや浪費をしてしまうし、特権のない大多数の人たちは単なる社会の歯車の一つとして、時には「生活保護さえも保証されずに」、最低限の生活もままならない暮らしに追いやられるのが実情です。

充分に働く能力とチャンスに恵まれた人が一生懸命誠実に働き、自己実現をはかりそれを自分の幸せと感じ、あまり物質的な欲をかかないで質素に生活していけばきっとすべての人が住みやすく良い世の中になるのに、と私は思います。(まるで「雨ニモ負ケズ風ニモ負ケズ・・」の詩で有名な宮澤賢治の世界みたいですが・・・)
せめて自分自身や自分の家族からでもそのようなことを始められたらいいのにと思います。
それらの成功の鍵を握るのは何より「教育を積み上げることによる人間一人一人の人格の向上と意識の高さ」だと私は思います。

私もとうとう今月で満65歳になりますが、これからも元気である限り真面目に仕事に精進し、世の中に少しでも恩返しができる生き方がdきたらいいなと思う今日この頃です。
お互いに「勤労できる幸せに感謝しながら」生きていけたらいいですね!

院長