げんき便り2016年12月号

皆様このたび心療内科を若干の縮小及び変更をさせて頂く事と致しました。

精神医療は近年「向精神薬」等の開発のおかげで目覚ましく発展してきましたが、未だ症状が充分には落ち着かず、社会に上手く適応できず、家族や周りの人達にも心配をかけつつ、関係役所職員達にも色々とご迷惑をおかけしている患者様が存在するのも確かです。

また「精神科・精神病院」にかかる事を「恥」のように感じ、そこまで自分は悪くないと思い、症状の軽いイメージの「心療内科」にかかられている患者様が散見されるのも事実です。

当院では小児科・内科を共に診ており「ファミリードクター」を目指しています。
「心の状態のあり様と身体的な病気は互いに関連し合い、簡単に切り離せないものだ」という信念のもと25年間心療内科に於いても頑張ってまいりました。

しかしながら昨今はどう考えても一般診療のちょっとした合い間の時間に、診て差し上げられるレベルをはるかに超えた患者様が急増してきた感じが致します。

その為お一人における外来の診療時間が余りにかかりすぎて、多くの患者様にご迷惑をおかけしてしまい、何とかせねばと感じておりました。

これまで通り比較的症状が軽く、安定されている患者様は引き続き診させていただこうと思っておりますが(不眠症、軽症うつ、不安障害等の他、特別な事情・問題を抱えて困って駆け込んできて、私でも何とか力になれそうな方など)。

ご自分がかなりの重度で、医師の指示やアドバイスにも余り耳を貸さず、時に逆切れして攻撃的な言動をとられる方が一部おられるのも事実です。(その様な方は都内の病院や県内各地の精神病院を渡り歩かれても十分満足されず、当院に辿り着いた人が多いようです)

私の経験上、高次の医療機関でたっぷり時間をかけて診て下さる診療時間に余裕があり・人格立派で・根気強い性格の「精神科及び心療内科専門診療所」のドクターに「もっとじっくりと話を聞いてもらった方がご本人の為になる」と判断された場合には、これからは遠慮なく「紹介状」を書いて差し上げ「転院」をお勧め指せて頂きます。

また診療時間が10分を超えると看護師さんが私にイエローカードを、20分を超えたらレッドカードを出し、診療を次回へと先送りさせていただきます。これで少しは診療時間の効率化を図りたいと思います。最近鴻巣市に心療内科単独で専門の診療所が新たに出来たようです。近隣の精神病院や心療内科専門の診療所のリストを作って差し上げますのでご利用下さい。

今後、げんきクリニックは小児科をメインに内科もスムースに診てあげられる「ファミリークリニック」を目指し、より一層精進して安心・信頼の医療をお届します。

また「病児保育所」を運営し、病気のお子様を安心してお預け頂けるよう努力いたします。
夏に安定した精神症状で且つどこへも行き場のない精神科患者様の為に「グループホーム」という自立住居空間を24時間体制で援助をしつつ、「精神科デイケア・ナイトケア」と併せ、自立生活のお手伝いや就労に向けた準備や仲間作りに寄与するよう考えております。外来で長々と話をするよりも、実際に体を動かし汗をかき、自分の実力を知ることも大切です。「デイケアへの参加・利用」をお待ちしております。

また月に一度「重度の心身障害児のリハビリ」を行い、生活上の工夫・アドバイスを通じて、体の拘縮・硬直を少しでも緩和し、呼吸の安定を図り、親や周りの人との意思疎通が図れるようにと頑張っております。(小児専門の理学療法士がその任に当たってくれております)

心理カウンセリングはやはり若干縮小させていただき、「月・火・金・土曜日」とさせて頂き、来年より自費4000円を頂きます。

(カウンセリングは医師自身による1時間以上の診察が必要不可欠で、そうでない場合は、保険適用外で「自費診療」にせよとの指導がありました。都内での相場は1時間で自費一万円だそうで、しかも10回分を10万円の回数券を購入させる所も多いと聞いております)

当院ではいずれも経験豊富で信頼できる臨床心理士さんが行ってくれております。
少しでも良心的、リーズナブルに価格を設定させて頂きましたのでご了承ください。

また「発達障碍(自閉症スペクトラム)の診療」は従来通り力を入れて参りますのでご安心ください。毎週土曜と日曜は発達検査を保険診療で行っておりますので、ご利用下さい。

なお、発達障碍児(大人も含む)への診断・内服治療、行動・療育治療をこれまで以上に充実・発展させるべく、「放課後デイサービス」を来年4月から開始させていただく予定です。

単なる放課後学童サービスの「預かり型」ではなく、発達障碍の子どもさんの特性である「対人関係を上手に取る事が器用に出来ない」「同時にいくつもの行動指示をすると頭が混乱し体を動かせない」「いくつもの思考をする課題を与えると脳がパニック状態になり優先順位も分からなくなる」「友人とゲームのルールを守って楽しく仲良く遊べない」「集団でみんなと同じように集団行動ができない」など様々な困難が見られますが、それらに適した脳活性化と末梢神経の活性化プログラムを企画しています。

又、「文字にまとまりがなく、学校の連絡帳のメモの意味がよく分からない」事も多いです。「脳理論にかなった実践プログラム」や薬の内服を併用すると、字もまとまり、書いた内容も読解可能になります。中には毛筆、硬筆習字で金賞を取ったり、図面や工作などの芸術面でも特選を取ったりと輝かしい実績を上げる子もいます。宿題の手伝いもして差し上げます。

当院の「発達障碍の子どもに特化した放課後デイサービス」の成果にご期待ください。
一生の間で最も大切な「学びやしつけ、社会的ルールを獲得する」重要な時期に「生活力」をグーンと伸ばしてあげたいものです。しかも何よりも楽しみながら学んでいくのです。

あとは行田市における「5歳児検診による発達障碍児の早期発見」を実践し、行田市長様、行田医師会長様の深い理解と協力を賜って、全国最低レベルの行田市の障碍児対策を日本のトップレベル、世界のトップレベルに引き上げるのが私の夢であり、ライフワークです。では皆さま良い年をお迎えください。

院長