2020年4月号 武漢コロナPart3 外出自粛と志村けんさんの死

新型コロナウイルス感染症が今や世界中に広まり、たいへんなことになっています。強いて言わせてもらえば「武漢ウイルス感染症」といってもいいかもしれません。中国では8万人以上の感染者と3千人以上の死者が出たと聞きます。今は収束したと言っていますが、この国の発表する統計は単純に信じられない気も致します。

現時点で最も大変なのは主にイタリアを中心にスペイン、ドイツ、フランス、イギリスなどのヨーロッパ諸国で、イタリアでは9万2千人の感染者、死者は1万人に上ります。スペインでは7万9千人の感染者(死者6千5百人)ドイツでは5万2千人の感染者(死者400人)フランスは感染3万8千人(死者2千3百人)にもなります。

中回と関連付けて考えるとヨーロッパは旧シルクロードの始発点であり、現代中固の世界制覇戦略である「一帯一路政策」のヨーロッパの終着地になります。(それだけ中国からの莫大なお金や中国人が大勢ヨーロッパに注ぎこまれていたという事です。)

もう一つ大変な事になっている国はアメリカ合衆国です。感染者数12万3千人(死者2千百人)にもなり緊急事態令や外出禁止令都市閉鎖をして厳しく対処しています。

とりわけニューヨークと東京は面積、人口密度、商業の発展の程度、飛行場が2つあることなどの共通点がたくさんあります。でも今の東京はニューヨーク程の危機感がありません。日本では東京オリンピックを1年間延期しましたが、「不要不急の事態以外はなるべく外出の自粛を要請したい」と罰則なしのお願い程度にとどまっています。東京の日々の感染者数は40名、50名、60名台と微増はしていますが都も国も緊急事態宣言も都市封鎖もせずに様子見を決め込んでいる状況です。密封した空間や密集した空間でお互いに近づかない、換気に気を付ける、マスクや手洗いの励行、咳エチケットを守るなど国民一人一人が自分の努力で自分の身を守るしかないようです。

欧米のメデイアからは、学校が休校になったのをよいことに原宿や渋谷、新宿などで遊び歩いている青少年たちに批判が殺到していました。

街頭インタビューでは「若者は感染しても軽く済むし、重症化して亡くなるのは高齢者が多いし、自分たちにはあまり関係ない」などと言う反応が主でした。しかしお笑いタレントとして国民的に大人気の志村けんさんが手厚い人工心肺の治療の甲斐もなく、あっという間に肺炎で亡くなるという事実に直面して、とても他人事とは思えなくなりました。

自分の感染に気を付けることは、周りのみんなを守るためにつながるという事にようやくに気づかされました。

志村けんさんの死を無駄にしないためにも、この大変な「国難」「大不況」をみんなの力で乗り越えましょう。

院長