NO.129

平成15年5月1日発行

新緑の5月。新学期が始まって早いもので1ヶ月が経ちました。

新しい学年、新しい学校等で環境が変わり、緊張が続き心身の疲労がここ1ヶ月でピークに達し、不登校気味になる子が増えてきます。

毎年5月の連休明け頃から外来での不登校の相談が目立ち始めるのも、単なる偶然とは思えません。

今から20年以上前には優等生が良い子を演じ続けるのに疲れた例とか、親子ともども生活習慣がメチャクチャという例など両極端が多かったのですが、今では不登校の理由も様々で、原因もはっきりせず、周りの者達がその対応に苦慮するケースが増えています。

こういう病気・状態は風邪や下痢腹痛などと違って、時間をかけてじっくり取り組み、今や人生80年と言われる長い一生を今後有意義に生き抜いていくための人生最初の試練と思いを定めて、ゆったりと付き合っていく必要があります。

ただ単に学校に戻れれば良いというのではなく、このチャンスを利用して親も子もこれからの生き方を見直して、より有意義な生き方ができるようチョッピリ今までと違う自分に変身して生きていけるように、心構えを変えてみてはどうかと思います。

当院には幸い4人の臨床心理士の先生方がいますので、お手伝いできると思います。

新緑の若葉の季節のような年代の若者達が、みすみす無限の可能性を秘めた新芽を摘み取られ萎れてしまうのを手をこまねいて眺めるのではなく、大樹になるよう見守り育てていってあげたいものです。