- 2003-12-01 (月) 16:17
- 院内報
平成15年12月1日発行
冬になるとインフルエンザの予防接種と風邪の患者さんが増えて、外来がとても混雑してご迷惑をおかけしております。
自然の成り行きで、診察時間も最小とし、なおかつ重大な見落としがないようにと、とても神経をすり減らしクタクタになりながらの診療となりがちになります。
軽い風邪とはじめから分かっていれば、薬局に行って風邪の一般大衆薬を買って済ませ、家で静かに休んで治すほうがはるかに楽なことでしょう。
しかし軽い風邪なのか、何か重大な病気の前兆や部分症状なのか、その区別は易しいようで医師でも大変難しいものです。
最近「白い巨塔」という山崎豊子の小説が久しぶりにテレビドラマ化されていますが、私も興味をもって見ていますし、小説もこの機会に読み返してみました。
学生時代に読んだ時と違って、実際に医療に従事してから読んでみると、とても一つ一つの事柄が重く胸にのしかかり、息苦しく感じながら読み終えました。
とりわけ医療過誤がマスコミに取り上げられ、裁判で争われることが多くなっているこのご時勢で、もし自分が加害者になったらどうなるのだろうか?
そう考え出すと、日々医療を行っていくことがとても責任が重すぎて、こんなに少ない時間で多くの患者さんを診続けていて大丈夫だろうかと不安になります。
辞められるものならいっそのこと辞めてしまって、どこかで静かにのんびりと暮らしたいという誘惑にかられます。
でも自分は若い頃いろいろ悩みながらいっぱい寄り道をして、この道を生きがいとしながら、少しでも世の中に貢献することを幸せと感じて生きられたらいいなと思って選んだ手前、今更逃げ出すわけにはいかないとも考えています。
ともかく緊張感を切らす事なく、できるだけ患者さん達の声に耳を傾けて、まじめにやっていこうと思っております。
遠慮なく診療室でもいっぱい注文をつけてなんでも訴えて下さい。
何よりも話しやすい雰囲気を大切にしたいと思います。
それから来年も皆様にとって良い年となりますよう祈っております。
げんきクリニックを来年も引き続きファミリードクターとしてよろしくお願いいたします。
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