No.153 距離をとる

最近またもや高校生が両親を殺害したり、弟が兄を殺したりというショッキングな事件が起きて、世の大人たちを当惑させています。
一体近頃の子供たちはどうしてしまったのだろう?と。
その解決策の一つのヒントが、「人との距離を上手に取ること」だそうです。
第二次世界大戦後ルバング島に30年近く身を隠していて発見され、日本に戻って一躍有名になった小野田さんという人がいます。
彼は何かと他人の事をあれこれ勝手に噂をしてうるさい日本社会に嫌気が差して、ブラジルに移住し、自給自足生活で磨いた能力を存分に生かして、今や大牧場を経営して大成功を収めています。
彼は時々日本に来ては「自然塾」を開催して子供たちを指導しているようですが、「人との関係で嫌な事があったり、腹の立つ事があったら距離を置いてすぐに離れなさい」と教えます。
「思春期になって親がうっとおしく感じたら、さっさと自立して親元を離れなさい」「いつか逆に恋しくて会いたくなったらその時会えばいい」それが小野田家の家訓であったし、自分も実際に実行してよかったと述べています。
現在「親の子離れ」「子の親離れ」が下手になり、いつまでも友達同士のようにベタベタしていたり、自分の所有物のように扱っている親たち。そしてそれに甘えて安楽な生活をむさぼる子供たち。どちらも問題ですね。
以前金属バットで親をめった打ちにして殺してしまった引きこもりの子の事件の感想を聞かれて小野田さんは「何でそうなる前に自分から家を飛び出す勇気をその子が持てなかったのか残念でたまらない」と述べたそうです。
人との距離を上手にとれるようになりたいものです。