No.158 今年度のインフルエンザ

いよいよインフルエンザが流行する季節となりましたね。
毎年、検査薬が不足したり治療薬が足りなかったりとトラブル続きですが、今年もその例にもれず、トラブルだらけのようです。
今、断続的に東南アジア、ロシアそして中国では鳥インフルエンザ(新型インフルエンザH5N1型)の感染が発表され、人から人への感染や死亡が次々と報告されています。
もし新型の鳥インフルエンザが日本にも上陸し大流行をしたらどれだけの患者が発生するものか、そして最悪数十万人の死者が出るとの試算が出されているとのこと、恐ろしい限りです。
ただそれに対抗する手段としてインフルエンザに対する特効薬タミフルが数年前から開発されており、それを世界各国で備蓄して大流行に備えようという動きが盛んで、薬が余り出回らなくなる可能性があります。
今までの数年の実績では従来のインフルエンザに対してその薬タミフルの使用量の70%以上が日本で使われていたそうです。経済力に物を言わせて独占していたのですね。
ところが最近その薬タミフルの副作用によるかもしれない精神症状で2人の中・高校生が建物から転落したり、交通事故に遭って死亡したという事件が学会で発表されました。
もちろんインフルエンザによる急性脳症による精神症状・異常行動かも知れないという異論も学会にあり、本当の原因は断定できません。
いずれにしてもいくら良く効く特効薬であっても副作用には慎重に臨むべきとの警鐘なのでしょう。
インフルエンザによる急性脳症はとても進展が早く死亡率も高いものなので、発症すれば1~2日目に治療を始めタミフルの内服やステロイドの集中投与を高次医療機関で行わなければなりません。
もしインフルエンザが疑われたら発病2日以内に受診され、検査を受け、必要が有ればなるべく早く特効薬をのまれることをお勧めします。
但し病気の経過中は子どもから目を離さず経過をしっかり見守って欲しいと思います。
最後に新しい年を迎えるにあたり、皆様のご健康を祈っております。