NO.168 キレやすい時代

最近世の中の人々が怒りやすい・切れやすい風潮が昔より強まっているように感じます。
世の中のテンポが速くなり、いつも急かされストレスに晒されて皆さんイライラされているように思えてなりません。
私は今毎日往復2時間以上運転してクリニックに通っていますが、クラクションを必要以上にけたたましく鳴らすドライバーや、中には窓を開けて巻き舌・べらんめえ口調で怒鳴る人もしばしばです。
たまに電車に乗ると、きまってぎゅうぎゅうの満員電車で、乗り込むにも既に乗っている人がふんばって乗せまいとするし、それでもめげずになんとか乗り込むと背広をパリッと着こなした青年に思い切りひじ鉄をくわされる。もうびっくりです。
生き物には他者との快適な距離を保とうとする本能があるそうで、それが侵害されると一転攻撃的になり、果ては殺してしまうこともあるそうです。
人間にも当てはまるのでしょうかね。
先日もBSテレビで筑紫哲也キャスターが「ごく普通の人がすぐにキレて人を簡単に殺してしまう事件が最近あまりにも多い」と特集をやっていました。
大抵は5年くらいで刑務所から出てこれて、加害者はもう刑に服したのだからこれで責任は果たしたとスッキリした様子で、被害者の仏前で「ご冥福をお祈りします」と手を合わせていました。
何の非もなくむかついたからと突然息子を殺された被害者の父親は「人を殺しながらそんなにケロッとして生きられては困る。これから一生をかけて償いの人生を歩んで欲しい。本人にも社会のみんなにも人の命を奪うことの重大性をもっと分かって欲しい。」と民事訴訟で1億円の請求を加害者にしたそうです。
そういえばお隣の独裁国家でも小さい頃から我がまま放題に育てられ、いつの間にか強大な政治・軍事的権力を世襲で手に入れた将軍様と呼ばれている人がいますが、核実験をしたり核兵器使用のボタンをその人の感情一つでキレて押されたのではかないませんね。
そのときは巻き込まれて殺される人の数は想像がつきません。
いずれにしても一時の感情に左右されずじっくり考えてから行動できる成熟した大人の人間でありたいものです。