NO.40

平成7年5月1日発行

5月5日は子供の日ですね。
「子供は大人を単に小さくした存在ではない」と、小児科学の教科書には書いてあります。
子供は発育・発達途上にあり、精神的・肉体的にも未熟な存在です。よくいえば純粋無垢で白紙の状態と言えますが、判断力も乏しく周りの考え方に大きく左右されてしまいます。

そして親(保護者)に食べ物をはじめとした衣・食・住など全てを完全に依存して生活しており、それだけに親の責任は重大と言えるでしょう。
それ故今世間を騒がしているオウム真理教の子供達の保護をめぐる親の権利云々の論争もおのずと妥当な結論に世論も裁判も落ち着くことでしょう。

子供は親の所有物でもなければ慰みものでもないはずです。
また親が世を捨てて『出家』するのは自由ですが、本来出家は「世の中から隔絶して静かに自らの内面の魂と向き合って修行するもの」であって、武力を持って世の中を混乱させて権力を握ろうとすることとは無縁のはずです。ましてや義務教育も終えていない未熟な子供達まで『出家』と称して巻き込むのはやりすぎのように思えます。

しかしオウムに限らず我々も親の勝手な押しつけで子供達を知らず知らずに人格のない物のように、持ち物のように、自分の寂しさや不安を紛らすためだったり、名誉心を満たすために好き勝手に扱っていないか、もう一度見直してみるにはちょうどよい機会かもしれません。