NO.48

平成8年1月1日発行

新年あけましておめでとうございます。
げんきクリニックも今年で5年目に入ります。人間で言えば幼稚園の年中さんになりました。
ところで最近、国立小児病院院長の小林登先生が、子供が成長・発達して成熟していく過程を、『育つ』と『育てられる』という言葉で述べた短文を目にしました。

それは⑴子供は親の育て方・しつけ・教育(即ち外界からの環境刺激)で『育てられる』存在である一方で、⑵両親から受け継いだ遺伝子情報に基づいて、自発的にあらかじめ『このように育っていく』というプログラムが決まっていて、そのプログラムに沿って予定されたように『育つ』存在でもあるというものです。

長年小児科医として多くの赤ちゃんから成人までの発育・成長過程を連続して見させてもらっていてつくづく感じるのが、子供は親に外見上似ているばかりでなくその性格・癖・品性まで教えもしないことまでも親そっくりに育つものだなぁ、そしてどう考えても赤ちゃんは白紙の状態で生まれてくるのではなく、まさにあらかじめ遺伝子に組み込まれている一定のプログラムに基づいて『育つ』のだなぁという思いを年々強くしています。

げんきクリニックも思い起こせば全く白紙の考えで誕生(開業)したわけではなく、その目指す(成長していく)方向をある程度持ちながらスタートしたはずでした。1年間でどのようにみずからの意志に従って『育っていけるか?』また、周りの人々の応援で『育てられていけるのか?』どうかあたたかく見守ってほしいと思います。