NO.74

平成10年05月1日発行

今年も子どもの日が巡ってきました。「昔の子どもは素朴で可愛かった」「今どきの子どもは変にませていて、大人びている」との声をよく耳にします。

確かに表面的には当たっているようにもみえますが、それもこれも大人たちが自分たちの都合で好きなように溺愛し、寄ってたかっていじくりまわし、忙しい時はテレビゲームやビデオでおとなしくさせておくといったことのくり返しの中で作り上げられたように思えてなりません。
親たちが作り上げた世の中で子供たちは選び取る余地もないままに、良いことも悪いことも学んでいくことでしょう。

ところで最近、環境ホルモンの影響が深刻であるという記事をよく目にします。
日本沿岸のすべての魚介類のオスとメスのバランスが極端に崩れてしまって、ほとんどがメス化しているとのこと。

そんな中さらに一つ気になる研究データーが発表されました。
ある私立医大でそこの医大生35人の精子の数を無作為で調べたところ、なんとWHOで定めた男性不妊症の基準値2000個を超えたのはわずか一名だけだったとのこと。

これも環境ホルモンの影響が考えられるようです。
このまま行くと高齢結婚、高齢出産、女性の生涯独身や離婚の増加、育児環境の悪化等とならんで、少子化傾向の原因のトップがいつしか環境ホルモンによる男性の精子減少にとってかわる日もそう遠くなさそうです。

まさしく人類滅亡の危機。
でもそんな話つい最近まで知りませんでした。
知らされないということは恐ろしいことですよね。
なんとか早く対策をとらなければ。
そして子供たちにちゃんとした「未来」をプレゼントしなければ。