NO.87

平成11年7月1日発行

もう少しで開業8年を迎える。
開業したての頃は、埼玉県医師会から頼まれて障害者に関する雑文を書いたことを思い出し、改めて読み返してみた。(参照)

微々たる歩みではがゆい思いもあるが、そこで書いた事に関して着実に目標・夢の実現に向けて歩んでいるようにも思える。
とりわけ今年はより飛躍するための準備が整う年になりそうである。
障害者にかかわる場合医療面だけでは不十分で、どうしても福祉面でのかかわりが必要だとずっと思っていた。

そしてそろそろ精神科デイケアだけでなく、知的障害者の作業所を作ったり、親元を離れて生活するグループホームも必要かなと思い始め、諸先輩の施設をいろいろ見学し始めてみた。
その結果社会福祉法人を作って取り組まねば、息の長い取り組みや将来的発展も望めないと思うに至った。

幸いにも、クリニック駐車場を老人の在宅支援センターに提供してあげていた「社会福祉法人隼人会」からの土地提供の協力が得られるメドがたち、社会福祉法人の設立に向けて、急転直下スタートが切れることとなった。

スムーズにことが運んでも早くても3年先だが、精神障害者、知的障害者等の人たちや家族に関するあらゆる事にきめ細かく対応できるものとして確信している。
24時間スタッフが詰めている生活訓練施設としての「レスパイト・サービス」、就労・住居その他様々な悩みの相談に乗る「生活支援センター」等をまず作りたいと思う。
ただ障害者に対する国の補助は微々たるもので、多くの人々の物心両面にわたる無償の援助がないと、それらの運営は成り立てないようになっている。

それを覚悟の上で始めざるを得ない訳だが、「捨てる神あれば拾う神あり」の言葉と世の人の心を信じてやってみようと思う。
そして私が亡くなっても誰も困らないシステムが作れればとか、同じ精神で誰かがきっと継いでくれるであろう事を願ってやまない。