マイコプラスマ肺炎

オリンピックの開催の年に合わせたように4年周期でマイコプラスマ肺炎という変わった肺炎の一種が流行してきましたが、最近では毎年のように散発的に流行を繰り返しています。
何が変わっているかというと、肺炎という言葉とは裏腹に一応初期に発熱はあるものの、熱はあまり続かず咳だけがしつこく続き、風邪です、軽い気管支炎ですと言われがちです。
さしたる重症感もなく、胸部の聴診所見も乏しいのですが、胸部レントゲン写真を念のため撮ってみると、肺の一部にびまん性の陰影が見られ、ようやく肺炎と診断がつくことが多いのです。
診断の確定は採血して抗体の上昇を確認するしかありませんが、もし疑わしければ早めにペニシリン系やセフェム系の抗生物質ではなく、マクロライド系やテトラサイクリン系の抗生物質を飲み始めれば短期間で治るでしょう。
但しマイコプラスマ感染症は時に脳炎、髄膜炎、全身の発赤疹その他いろいろの合併症を起こすので慎重に経過を診ていく必要があります。
最近続けて何人かの肺炎の患者さんがみられ、採血でも抗体が上昇し、この地域でも少し流行がみられ始めているようです。ご注意を。