多動児(落ち着きのない子)について

注意の持続・集中が困難で、落ち着かず、動きの多い子供に対し、WHOは「多動性障害」との診断名を提案している。このような子供は取り扱いの難しいことで早くから注目され「注意欠陥障害」「注意欠陥多動性障害」などいくつかの診断名が用いられてきた。

本症の背景には、軽微な脳機能の障害が推測されている。なお、従来しばしば指摘されてきた成育環境による落ち着きのなさとは、区別して考えなければならない。

早い時期(5歳以前)から、動きが多く、落ち着かず、着席が苦手で注意が持続せず、衝動的で一つの作業をやりおおせないのが特徴である。

治療薬として現在メチルフェンデート製剤(リタリン)や、ベモリン(ベタナシン)を内服させると若干行動に落ち着きが出るようである。なお、多動の他に不安、執着、衝動性、常用行為などが目立つ際には精神安定剤の使用も考えられる。

■学習障害(LD)への配慮■
最近学習についていけない不思議な子供として、学習障害児が注目されている。
脳機能に軽微な偏りがあるためと考えられており、読み書き、算数などに特異な困難を示すことが特徴である。
実際に見ていると多動性障害児の多くに学習障害が見られ、また学習障害児の多くに多動、注意の欠陥が見られることが多い。
学習障害に対しては、個別的な治療・教育プランが必要とされている。

身近にこのような傾向の子供さんがいたら、思い悩まず一度ご相談下さい。