川崎病について

厚生省の調査によると川崎病の患者が、1994年は6,000名もいたそうです。「川崎病」といっても川崎市の公害病ではありません。高熱が何日も続き、目が赤く充血し、口唇やのども真っ赤になり、首のリンパ腺が大きく腫れ上がり、手足が固くむくみ、体には発疹のできる原因不明の病気のことです。
この病気の何よりも恐ろしいところは、心臓の筋肉に栄養を与えている冠状動脈が強い炎症のため、もろくなり、いびつにふくらんで瘤(こぶ)ができることです。そしてそれが原因で心筋梗塞発作を起こしたり、血管の瘤が破れたりして突然死亡することがあることです。
当クリニックでも年間2~3名の川崎病の患者さんをみかけます。 10年程前まではとても重症になる子が多かったし、治療法もあまり確立されていなかったので子供の恐ろしい病気のトップでした。
しかし今でも原因は不明ですが、病気そのものが軽症化してきて、しかも特効薬も見つかり、入院せずに治療できる子がずいぶんと増えてきました。でもまだ気をゆるめずにみていこうと思います。