血尿について

血尿は集団検診では試験紙法で潜血尿としてスクリーニングされる。
潜血陽性の場合、二次検査として医療機関に置いて尿沈査で赤血球の有無を確認する。
ただし女性の場合整理時期の出血でないか区別する必要がある。
肉眼的に見て分かる血尿か、顕微鏡でしか分からない血尿か確認することも診断上大切である。
また蛋白尿がないか確認することも大事である。もし血尿と蛋白尿が合併する場合は腎疾患である確率が高い。
また激しい運動後の尿でないかも確認が必要である。(遊走腎)
集団検尿で引っかかる血尿の大部分は家族良性血尿、無症候性血尿と呼ばれるもので特に心配のいらないものがほとんどであるが、子どもの場合大人になって急に悪化する慢性腎炎もまれにみられるので地道に検尿で経過観察はしていったほうがよいと思われる。
できれば採血して免疫グロブリン、血清補体価を調べIgA腎症をはじめとする慢性腎炎を除外するとよい。
腎臓に何か異常が疑われる場合血圧が高くないか確認し、できれば腹部エコーで腎臓の奇形・水腎症・腎腫瘍・尿結石・尿管結石・のう胞腎などの有無を確認する。
その他血尿の原因として腎孟腎炎・尿路感染症といった感染、特発性腎出血などがある。
血尿・蛋白尿が持続する場合は1年以上経過を観察した後腎生検をして慢性腎炎の電子顕微鏡レベルでの分類をし、治療や予後の参考にする。
検尿は負担が少なく簡単に行える検査なので地道に継続されることをおすすめしたい。