長引く咳について

咳が出るということは悪いことばかりではなく、肺、気管、気管支にある異物や分泌物、痰などを体の外に排出させる大事な働きをしています。
しかし眠れないほどの咳や吐くほどの咳が長く続くと、本人にとって大変つらいものですし、治療している医師にとっても悩みの種です。
咳が長引いてなかなか止まらない理由にはいろいろありますが、麻疹やインフルエンザ、百日咳、肺炎、気管支炎、気管支喘息などいろいろな病気が原因として考えられます。
その中でも喘息性気管支炎(別名、咳喘息とも言う)が一番多いのではと思われます。気管支喘息のように呼吸困難は起きないのですが、夜の寝入りばなや朝の起きがけに咳込んでしかたがない。しかも熱もなく、食欲もある。布団に入って体が暖まると気管がムズムズして咳込みが始まる。また朝目が覚めて起きると寝ている間にたまっていた痰が動いてその刺激で咳がでる。たいがいは鼻がグスグスして飲み込んだものが痰としてのどにからまって悪化するものです。治療は喘息に準じて咳止めの他に気管支拡張剤を飲んでもらいます。
当然鼻の治療をするととても効果があります。のどの下や脇の下、みぞうちのあたりが咳のしすぎで筋肉痛を起こすことがあり、消炎鎮痛の湿布を患部に貼ったり、軟膏(ベポラップなど)を塗るのも一つの方法です。
またうつ伏せ寝が苦手でなければうつ伏せで寝ると鼻水や痰がのどに落ちることがないので、咳込みを予防する効果があります。枕元に冷たい水を置いておきせき込んだとき手を伸ばしてちょっと口に含むのも良いでしょう。起きているときならスーッとする小さな飴をしゃぶるとよいでしょう。乾燥している季節なら部屋に加湿器をかけておくのも口や鼻の乾燥を防ぎ咳込みに有効です。みなさん試して見て下さい。